黄金町 旧赤線地帯
京浜急行「黄金町」駅前の大岡川沿いは、旧赤線地帯として知られている。赤線地帯とは政府公認の売春を目的とする特殊飲食店街の別称である。警察の地図に赤い線で囲って表示されていた。
赤線地帯は1956年の売春防止法の施行によって廃止されたが、黄金町一帯ではつい最近まで違法に営業が続けられていた。そして、50年近く経った2005年の春、2009年の開港150周年に向けて一掃するため、ついに警察による手入れが行われた。
現在、この辺りは昼夜を問わず警察の厳重な監視下に置かれている。京急線の高架下に監視所まで設置するほどの徹底ぶりで、路上に配置されている警察官の数も少なくない。閉まったままの飲食店が多いが、店内に人の気配がすると、即座に警察官によって調べられる。このような厳戒ぶりではさすがに商売が出来ないのか、レンタルルームに商売替えをしている業者も多く見られた。
手入れが行われる前、この場所で働いていた女性たちはほとんどが東・東南アジア、中南米系だったそうだ。故郷から遠く離れた異国の地でこのような仕事に就かなければならなかった理由はさまざまかと思われるが、好んで従事していた筈はない。貧しさ故であろう。大岡川に面した通りの高架下には「STOP AIDS」と書かれた看板が掲げてあり、日本語だけでなく、英語とタイ語でも書かれていたのが印象に残った。
いま、地元、警察、行政が一体となって、行政が賃借した店舗を文化芸術の振興拠点として整備し、街の活性化を図っている。ただ、放置していた期間が長すぎたため、街のイメージは簡単には変わらないだろう。



